5月21日の金環日食

5月21日(金)は新月とともに、本州では129年ぶりの金環日食です。


日本国内ということであれば、前回は25年前の1987年9月23日に、沖縄県のみの金環日食がありました。とても貴重な金環日食なので、早起きして観察すると大宇宙の神秘のエネルギーを感じられるチャンスかもしれませんね。


東京での日食の時間帯の詳細は、以下の通りです。

朝の6時15分頃から欠け始め、7時30分頃に、金環日食になります。

金環食の状態は約5分間持続します。その前後の部分食の状態は計2時間以上あります。


日の出時刻  4時32分    

日食の始め  6時19分02秒    

金環食の始め 7時31分59秒    

金環食の終り 7時37分00秒    

日食の終り  9時02分37秒

ちなみに、月の視直径が太陽より大きく、太陽の全体が隠される場合を皆既日食(total eclipse)と言います。逆に、月の外側に太陽がはみ出して細い光輪状に見える場合を金環日食(または金環食。annular eclipse)と言います。


日食にまつわる世界での言い伝えは、神話で語られており、その多くは「世界から太陽神がいなくなる=世界が暗くなる」といった意味であまり良いイメージではありません。

 

しかし、沖縄においての日食は、いいイメージでとらえています。日食にまつわる伝説として「月と太陽の結婚」や「太陽と星のあいびき」など、さまざまに言い伝えられて民話にもなっているようです。日食を恐れるのではなく、豊作の予兆として逆にありがたく受け入れているようです。

 

伝説にもあるように、世界が闇に包まれ、人々が不安や恐れを感じていた時代には、天文学の知識(日食が起こる仕組み)が、まだ世の中に浸透していなかったために、多くの人々が、この日食の時を恐れていたことでしょう。(沖縄は例外として…)

 

そのため、世界には国を治める王族がこの日食を神様からの掲示として政治に利用し、絶大な権力を持ち得て、民心の心を操っていたそうです。


近代では、日食の仕組みが明らかにされ、その宇宙の神秘を子供から大人までが、この貴重な現象を観たいと楽しみにする人々が増えてきました。

 

普段、日常生活に異変が生じると私たちの反応は、不安や恐れなどのマイナスの感情を抱く傾向があります。しかし、過去の経験や正しい知識が備わるとその異変が危険なのか安全なのかを判断することができるので、不快なマイナス感情は抱かなくなります。

 

私たちの周りでは、多かれ少なかれ常に何らかの現象は起こっていると考えられます。その起こる現象の表層を見るだけではなく、その現象の本質や意味を知ることは、とても大切なことだと思います。


過去の日本において、本州で見えた金環日食は、1883年10月31日から129年ぶりとなるそうです。今回は東京に限らず、日本の広範囲で観測できるようなので、ご興味のある方は、せっかくのチャンスをお見逃しなく…。