正しく認識することの大切さ

認識とは、精神や意識を形成する思考感情態度信条(固く信じて守っている事柄・信念)が組合わさっているものといえます。同じ経験を繰り返す人は、過去に経験した記憶により、思考や感情、態度、信条などが形成されて、良くも悪くも時間の経過とともに考え方や行動が固定され、さらにその記憶とともに思考パターンも固定化されてしまうようです。このように記憶は、繰り返される類似の感情反応に付随した反復する思考とともに、脳がそれを分類しながら作られるといわれています。

 

つまり、新しい情報が外から入ってくる場合には、脳が関連づけをおこなうため、過去に経験した類似する記憶の中で、感情的な執着が最も強い記憶を自動的に結びつけてしまうようなのです。そのため、過去に経験した「あること」を辛い記憶として認識している人は、「あること」と似たような形で目の前に現れた「新しい出来事」をチャンスとは受け止められず、「辛いことになる可能性が高い」と認識してしまうのです。

 

このようなことから、人はマイナス感情を伴った過去の記憶のせいで、せっかくのチャンス(=「新しい出来事」)を活かすことが難しいようなのです。マイナス感情を伴った過去の記憶により、何度となくチャンスを取り逃がしてしまうことで、さらに、マイナス思考のパターンを助長させてしまい、『理想と現実のギャップ』に、ますます苦しんでしまうようなことも起きるようです。

 

長年、慣れ親しんできた思考パターンや行動を変えることは容易なことではありません。

 

人によっては、思考を切り替えることそのものに、強いストレスを感じることでしょう。脳は苦痛を嫌い、自分にとって都合の良い、楽な(=安心できる)思考パターン(本能的な自己防衛力が働くことも含め)を、できるだけ選ぼうとするといわれています。そこで、まず、思考を切り替えるには、過去の記憶によるマイナス感情に流されそうになったときに、別の角度からも冷静に物事を考えてみるようにして、何かよい感情を伴った考え方もできるのであれば、それを同時に取り入れながら、「認識を改める」ことが大切なのです。

 

何度も同じ失敗を繰り返す人は、身近な人々や周囲から、過度な影響を受けていないか、過去の記憶によるマイナス感情に流されていないか、などを客観視したうえで、あらためて「何が本当に正しいのか」を考えてみる必要があるかもしれません。マイナス感情に流されることで、過去の出来事と同じ思考パターンになっていないかに注意してみることも必要です。

 

実際には、事態が起こった時に、まず、感情的にならないように注意します。

 

そして、起こっている問題の本質に目を向けて、それを理解するためには、「過去の記憶」と「新しい情報」を結びつける前に、自分の「今の認識」が正しいのか誤りなのかを考えます。このとき、すでに以前と同じような問題が、再度起きているのであれば、「過去の認識は誤り」であり、その考え方での判断や決断、行動は改善する必要があるということになります。

 

過去の記憶の中のマイナス感情に支配された人は、マイナス思考にも支配されやすくなっています。なので、自分を信じられず、事あるごとに人や周囲の影響を受けやすく、感情にも流されやすくなるようです。この時点で、冷静な判断力や決断力が妨げられ、結果、誤った行動をとってしまい、同じような経験を繰り返してしまうようです。

 

この繰り返し(負のスパイラル)を改善するには、自分の行動パターンを自覚し、自ら感情のコントロールができるように意識して、目の前に起こっていることの本質を客観的に解析する能力を育てるよう努めることが重要です。

 

脳は、自分の都合の良いように「認識を書き換える」ので、自ら「正しく認識する」(必要であれば過去の認識を改める)ことができれば、偏った思考パターンから抜け出せるのです。バッチフラワーレメディは、マイナス感情を癒すことで無理のない思考パターンの切り替えをサポートしてくれます。但し、思考パターンの切り替えには、過去の経験や記憶の質や量、時間経過、トラウマなどにより個人差がありますので、時間をかけてゆっくり行っていくことが大切です。