ストレスを生む原因とは

私たち現代人は、日常生活の中で様々なストレスを感じています。ストレスとは、物質に力を加えることによって生じる歪みのことです。ストレスの原因(ストレッサーといいます)になるものには、

 

① 物理的(環境的)ストレッサー:極限状態での「暑さ」「寒さ」「騒音」「放射線」等による刺激

 

② 科学的ストレッサー:「薬物」「食品添加物」「栄養不足」「酸素の欠乏」「過剰」による刺激

 

③ 生理的ストレッサー:「ウイルス」「カビ」「花粉」等の病原菌やアレルギー原因物質等による刺激

 

④ 精神的ストレッサー:「精神的苦痛」「緊張」「怒り」「哀しみ」「不安」「対人関係によるトラブル」

 

等による刺激があります。但し、それらのストレッサーが全ての人に対して同様にストレスになり得るわけではありません。ストレスは、その個体の性格や気質、状況などによってそれぞれの受け取り方が違うのです。ある人には些細な状況でも、ある人には大きなストレスを抱える状況になることがあります。つまり、ストレスを生む原因は、外部からの刺激(ストレッサー)に対し、自分自身の感情のバランスを崩した状態にあることです。

 

私たちは外部からの刺激(環境の変化)に対して、自分自身の身体を本来あるべき安定した状態に維持しようとする力を持ち合わせています(これを恒常性と言います)。つまり、普通はストレスを受けても、恒常性が働き、心身を通常の状態に戻すので問題ありません。むしろ、生命体が生きていく上で、ストレスは必要なものでもあります。何故なら、全くストレス(刺激)がない状態で生活すると、例えば、気温変化の実験において「体温調節機能の低下」「暗示にかかりやすい」「幻覚や妄想を見る」等の実験結果も報告されています。心身のバランスを保ちながら生きていくためには必要なストレスもあるのです。

 

しかし、受けるストレスが過度だったり、ストレスが長期に渡った場合は、恒常性の働きが異常をきたし、そのバランスを崩してしまい、結果的に免疫力を低下させたり、自律神経の失調が起こったりして、心身に様々な障害が生じてしまいます。特に現代人は精神的ストレッサーにおいて感情のバランスを崩すことが多いのです。