チョウチョとお月さま①

ティクレのほっこり童話『チョウチョとお月さま』

あるチョウチョが、満月の夜に、美しい森の中で、たまごをうみました。

つぎの満月の夜に、たまごのからをやぶって、一匹のチョウチョの幼虫が、葉っぱの上にでてきました。幼虫は、おなかが空いていたので、葉っぱをむしゃむしゃ食べ始めました。おなかがいっぱいになったころ、穴のあいた葉っぱのむこうから、お月さまが、ほほえみながら「こんばんは。このせかいへようこそ。あなたのお名前は?」といいました。

 

幼虫は、はじめて会うお月さまに、「こんばんは、お月さま。わたしは、アゲハチョウのルンです。いつか、きれいなチョウチョになって、この広いお空をじゆうに飛びたいの。 」と、にこにこしながらいいました。

 

「とても素敵なお名前ね、ルンちゃん。もし、困ったことがあったら、この木の妖精さんに、いつでも相談するといいよ。」お月さまは、そう教えてくれました。ルンちゃんは、お月さまに、お礼をいってから、すやすやとねむりました。