魚座の新月「日食」の活用法

 

魚座で起きる日食の影響は、次の8月22日の獅子座で起きる日食までの間、半年ほど続くことになります。

 

自分の価値観を広めるためには、色々と試されるような出来事が起こり、あちらこちらに振り回されることになるでしょう。

 

この期間は、行動的になり大胆な行動へと勝負を賭け、大きな成果を狙う傾向が高まりますが、その分失敗もリスクも多くなるでしょう。

 

それでも、不屈の精神とパワーで乗り切れると疑わず自己確信を固め、自分の意志を貫く行動は個人に委ねられます。

 

ただ、結果を急ぐほど、失敗の可能性が高まるので、着実な成果を得るには、さまざまな角度から現状や自分を確認して、実社会の中で自分の描くイメージをきちんと形にできる方法を見出し、コツコツと積み上げて実現していくように努めることが大切です。

 

魚座の日食は、私たちの意識を超えたところでの融合を促します。このため、目に見える物質的な世界と目に見えない世界(霊的世界)の間のバランスをいかに取っていくべきか、そのために必要な学びを与えます。

 

私たちは地上で肉体を持って生かされている間、自己成長を遂げるために「物質的な世界での自分」と「霊的な次元での真の自分」との間の均衡点を、見つける努力を続けていく必要があります。なぜ必要なのかを説明すると、人の心の成長には、この霊的な意識が深く関わることになるからです。

 

一般的に「心」と言われるものは、自覚できる「顕在意識」になります。この「顕在意識」は、脳から発生する「本能的意識」と、脳を通じてもたらされる「霊的意識の一部」の総体です。また、顕在意識に占める「本能的意識」と「霊的意識」の比率には個人差があります。そのため、顕在意識に占める「霊的意識」が大きい人は、比較的に直感力や予知能力などが優れることになるのです。

 

その「霊的意識」は、状況によって増減する流動的な気質を持っています。その一方、「本能的意識」は、遺伝子的・肉体的な要因によって規定されているため、「霊的意識」ほど流動性はありません。ただ、遺伝子によって規定される「本能的意識(=心)」は、気質の違いにもより色々なバリエーションをもたらしますが、「霊的意識」への影響はないそうです。

 

したがって、「顕在意識=心」の成長は、この顕在意識の中にある流動性の高い「霊的意識」の拡大にあります。この「霊的意識」は、人生の上での多様な体験や学習、あるいは個人の努力によって少しずつ変化していきます。

 

最も重要なのは、私たちの「顕在意識=心」の成長に必要な霊的エネルギーは、必ず「高次の魂」からもたらされないと、心の中に占める霊的意識は減少してしまうということです。

 

本質的に「霊的意識」は、利他性を目指します。逆に、「本能的意識」は利己性を目指します。このため、心の中では絶えず『利他性』と『利己性』の葛藤が生じることになります。わかりやすく言うと、個人主義的な人は、心の成長が未だ果たされていない状態です。

 

どんなに社会的な評価を受けていたとしても、『利他的な意識=無償の愛』を持てない限りは、人としての心の成長は乏しい人です。心の成長が果たされるには、『利他的な意識(=無償の愛)の拡大』が必須条件になります。

 

私たちは人生の中で、いかにして物質世界の中に霊的意識をもたらし、またいかにして物質世界を霊的意識へと至らせるか、その方法を見つけていかなければなりません。それには、物質世界の中で「利他的な意識(=無償の愛)の拡大」に努めなければなりません。

 

高次の魂と繋がり、霊的意識を高めて、利他性そのものを引き出す自己努力を惜しまずに行なうことが必要です。私たちは人生上で起きる多様な出来事や未知の体験を通じて、生まれつきの「顕在意識=心」の成長に必要な霊的エネルギーを拡大していくのです。この心の成長を正しく目指すことで、大いなる宇宙の意識と繋がり、私たちの世界を含めた宇宙全体のバランスが調整されるのです。

 

今回の魚座の新月(日食)は、私たちが大いなる宇宙の意識や、すべての創造物と一つになるときの霊的エネルギーの完全性と回復のチャンスを与えてくれます。そして、私たち全てが一つであるという高次の霊的な真実を追求するように促されるでしょう。

 

魚座の日食は、個人の意識レベルを超えた繋がりを必要とします。あらゆる国や人種、宗教、政治、人の意識などの境界線を溶解し、さらに全ての否定的な感情や痛みを変容していきます。魚座の日食が影響を及ぼす期間、このエネルギーをプラスの方向に活かすことができるなら、私たちが恐れや不安によって作ってしまった外界から身を守るための心の中の要塞から、広い世界に出て自由になる機会を与えてくれるでしょう。

 

それにより、人が自ら高次の魂と繋がり、霊的な道を進むことを後押ししてくれるかもしれません。ただ、共感力や同情心、感受性に優れるときなので、他者の個人的な痛みや苦しみ、否定的な感情を自分に吸収してしまい、そのまま手放すことなく持ち続けてしまう傾向にあります。

 

「利他的な意識(=無償の愛)の拡大」が、他者の個人的なマイナス感情を引き受けて、自分の中で浄化しないで維持することが、助けた人の霊的な進化を後押しすることだと誤解しないよう気をつけてください。

 

この時期、意識的に現状の環境の中で霊的なエネルギーを結びつけることができると、今までに経験したことのない「心(霊的意識)の成長」を体験することになるでしょう。